ochakai

「売上15%減」の背景にある、
「数字の読み方」をエージェントへ。

セマンティックレイヤーに接続した AI エージェントは、定義に従って集計し「売上が落ちた」ことまでは特定できます。しかし、その落ち込みが季節要因か平常の揺らぎかといった「数字の読み方」は、スキーマのどこにも書かれていません。ochakai は、現場の解釈知見や検証済みクエリを蓄積し、MCP・REST・CLI 経由ですべてのデータエージェントへ届けるコンテキストレイヤーです。

$ ochakai search "なぜ売上が落ちている?"
metrics/revenue               stable  売上
insights/reading-revenue      stable  売上の読み方
policies/revenue-recognition  stable  売上計上ポリシー (FY2026)

$ ochakai get insights/reading-revenue
売上が 1 割下がったなら、まず件数を見る。

直近 6 か月はどの月も、売れた金額の 27〜29% が
返品で抜けている。

linked from: metrics/revenue (Metric, unverified)
公開デモ(demo.ochak.ai)の実際の実行例。メトリクス定義と同時に、現場の「読み方(Insight)」が紐づいて返されます。

公開デモを試す

アカウント登録は不要です。CLI をインストールすれば、わずか 3 つのコマンドですぐに公開デモのナレッジを検索・取得できます(最新リリース: v0.28.2)。導入の各ステップにはそれぞれ詳細なガイドを用意しています。

go install github.com/na0fu3y/ochakai/cmd/ochakai@latest
ochakai use https://demo.ochak.ai
ochakai search "なぜ売上が落ちている?"   # 問いに関連するナレッジを検索
ochakai get insights/reading-revenue  # ナレッジの詳細と関連リンクを取得

Web UI をブラウザで確認できます。次のコマンドを実行して http://127.0.0.1:8098 を開くと、レビュー画面が表示されます。

ochakai ui --url https://demo.ochak.ai
Go なしで使う(ビルド済みバイナリ)
# 以下は Apple Silicon Mac の例です。Intel Mac は darwin_amd64、Linux は linux_amd64 / linux_arm64、
# Windows は windows_amd64.zip をご利用ください(すべて同じリリースページにあります)
curl -LO https://github.com/na0fu3y/ochakai/releases/download/v0.28.2/ochakai_0.28.2_darwin_arm64.tar.gz
tar xzf ochakai_0.28.2_darwin_arm64.tar.gz
sudo mv ochakai /usr/local/bin/
ochakai use https://demo.ochak.ai
ochakai search "なぜ売上が落ちている?"

配布アーカイブにはデモ用ナレッジバンドル examples/demo も同梱されており、ご自身の環境の初期データとしても利用できます。

Claude Desktop で使う(ワンクリック MCP 設定)

1. リリースページから ochakai_0.28.2.mcpb をダウンロードします。

2. ダウンロードしたファイルを開くと、Claude Desktop が自動的に設定画面を開きます。公開デモのサーバー URL が既定で入力されているため、そのまま確定するだけで接続完了です(macOS / Windows 対応)。

定義も「数字の読み方」も、ひとつの検索で

メトリクスの計算式だけでは、AI エージェントは正しいデータ分析にたどり着けません。真に必要なのは、「その数字をどう解釈すべきか(平常値・季節性)」「信頼できる検証済みクエリ」「指標の算出ルール」「社内用語の定義」、そして「テーブルの落とし穴やデータ品質の注意点」です。ochakai は、これらをまとめて検索インデックスに保持し、関連する文脈を一度にエージェントへ提供します。PDF や画像などのドキュメントも検索対象です。

Metric

指標の定義と、社内での呼称や用途

Attested Computation

検証済みの計算クエリ(ゴールデンクエリ)と検証手順

Skill

クエリやデータ処理を実行するための具体的な手順

Insight

指標の読み方・解釈ノウハウ(ベースライン、季節性、閾値、注意点)

Policy

指標算出の前提となるルール(収益認識、コスト配賦など)

Glossary Term

社内用語の定義(その言葉が組織内で何を意味するか)

BigQuery Dataset

テーブル群をまとめるデータセットのカタログ項目

BigQuery Table

テーブルの出どころ、カラム注記、既知の注意点や落とし穴

Reference

外部仕様書の写し(コード値・Enum 定義、ライセンス、スキーマ定義)

標準の推奨タイプは以上ですが、業務ドメインに合わせて自由にタイプを拡張できます。フォーマットの詳細は OKF v0.2 仕様、具体的な記述例はデモバンドルをご覧ください。

エージェントが学び、人間が検証する自律サイクル

データエージェントは分析業務の過程で、新たな発見やドメイン知識を獲得します。ochakai はエージェントが得た知見を「Draft(下書き)」として自動的に書き戻させ、人間のレビューキューへ届けます。人間が承認することで正式なナレッジへ昇格し、組織全体の AI エージェントに共有されます。Claude Code 向けには、ナレッジの想起と書き戻しを自動化するフックが同梱されています。

ochakai のドラフトレビュー画面。エージェントが提案した Draft ナレッジの一覧が表示され、タグ、参照回数、承認(Verify)・却下(Reject)ボタンが並んでいます。
ドラフトレビュー画面では、実際に参照された回数の多い知見ほど上位に表示されます。利用頻度の高い重要なナレッジから効率的にレビューできます。

大がかりな専任体制なしで始める、実用的なオントロジー

データと業務知識を結びつけ、エージェントが自律判断できるようにする。それがオントロジーの本来の価値です。ochakai は、高価な基盤や専任エンジニアを必要とせず、Markdown のリンク構造をもとに自然な知識ネットワークを形成します。

まずは数件の用語やメトリクスを定義するだけで十分です。書いたドキュメント同士がリンクで結びつき、自然と構造化されていく、いわば最小限で実用的なオントロジーです。

他のツールとの役割分担・連携

指標の定義を AI エージェントに提供するだけなら、セマンティックレイヤーやデータカタログでも可能です。ochakai はこれらと競合するのではなく、不足していた「数字の読み方・現場の解釈知見」を補完します。モデル定義はセマンティックレイヤーへ、技術メタデータはカタログへ、人間が検証した信頼できるデータ知識は ochakai へ――それぞれの強みを活かして併用できます。

ochakai と、Knowledge Catalog・セマンティックレイヤー・データカタログ・OKF ネイティブローカルツールの比較
観点 ochakai Google Cloud Knowledge Catalog旧 Dataplex セマンティックレイヤー / DWH ネイティブdbt, Cortex Analyst, Databricks Genie データカタログOpenMetadata, DataHub, Atlan OKF ネイティブローカルツールokf-skills, kaut, llm-wiki-compiler 等
「読み方」のナレッジ 専用の型(Insight)を提供。ベースライン・季節性・注意点を保持し、定義と同時に検索されるほか、定義を参照した際にも自動で関連付けられます。 保持可能。生成された説明やサンプルクエリを含むが、同一テーブルに複数視点の読み方を並べる用途には不向き。 持たない。定義や計算式は返るが、その数字をどう解釈すべきかは含まれない。 持たない。テーブル定義・リネージ・オーナー情報が中心。 保持可能。OKF 形式のため自由に記述可能。
人間による検証と来歴 インスタンス上で監査台帳を保持。誰が作成し誰がいつ検証したかの来歴が全ドキュメントに記録され、レビューキューや却下理由も保存される。 ドキュメント記載の verified をそのまま表示。カタログ自体は検証フローを管理しない。 あり。通常のコードレビュー・プルリクエストを通る。 あり。スチュワードシップや認定機能(ツールにより異なる)。 ファイル記載情報と Git 履歴に依存。却下理由の蓄積やレビューキューは持たないものが多い。
運用の手間 一次情報の下書きはエージェントが自律的に収集。人間は重要な判断・承認のみを担当するため、最小限の負担で維持可能。 メタデータを自動収集し AI が説明を生成。人間はそれをレビューして承認。 データモデリング作業。データパイプラインの開発フローに含まれる。 コネクタによる自動収集後、手作業でキュレーション。 エージェントが生成し人間が Git で確認。手軽だが組織的なレビュー運用の仕組みは自前構築が必要。
対応クライアント 柔軟に対応。MCP・REST・CLI を備え、Claude Code、各種エージェント、CI ジョブなど幅広い環境からひとつのナレッジベースを共有。 柔軟に対応。Context API や MCP を通して IAM 認証下で利用可能。 ツール依存。dbt は MCP に対応、Cortex Analyst や Genie は自社のチャット環境に限定。 幅広い。API 経由で連携。 MCP 対応ツールであれば利用可能。多くはローカル 1 台の環境で完結。
データのポータビリティ オープンな Markdown(YAML Frontmatter 付き)。Git でそのまま管理できるプレーンファイルで、ロックインがなく他環境へも容易に移行可能。 Cloud Storage に出力可能だがカタログ独自形式。OKF バンドルへの直接復元は不可。 リポジトリ内のコード(SQL / YAML 等)。手元でそのまま管理可能。 API 経由で取得可能(形式はツールごとに異なる)。 そのまま残る。ローカルのプレーンファイルのため可搬性が最も高い。
DWH への直接アクセス アクセスしない(安全設計)。DWH の認証情報を持たず外部で独立して動作。SQL クエリの実行は呼び出し側のエージェントが担当。 アクセスする。Google Cloud 内でリネージやデータ品質を直接監視。 アクセスする。DWH 内部または隣接環境で直接連携。 アクセスしない(メタデータのみを収集・保持)。 アクセスしない。
セルフホスト対応 対応(MIT ライセンス)。テナントごとに自前運用可能。単一の Go バイナリと Postgres で月額約 $10 から運用可能(Google Cloud 外では字句検索のみ)。 非対応(Google Cloud のマネージドサービス)。 一部対応(dbt は可。Cortex / Genie はクラウド DWH に付随)。 対応(OpenMetadata、DataHub などオープンソース版あり)。 対応。サーバー構築が不要。LLM 実行を伴うものは API 費用が必要。

デプロイと導入

ochakai は、お客様自身の Google Cloud プロジェクト内にデプロイして運用できます。ナレッジや変更履歴はすべて手元の環境に保持され、外部へ流出することはありません。

データのエクスポートも簡単です。ochakai export を実行すれば、すべてのナレッジが標準フォーマット OKF(YAML Frontmatter 付き Markdown)で出力され、他のシステムへもスムーズに移行できます。

前提条件、費用見積もり、IAM 認証設計、バックアップやアップデートの手順は、「デプロイと運用ガイド」にまとめています。

構築 Terraform で Cloud Run + Cloud SQL をデプロイ

git clone https://github.com/na0fu3y/ochakai && cd ochakai/deploy/terraform
cp terraform.tfvars.example terraform.tfvars   # project・region・invokers を設定
terraform init
terraform apply    # Cloud SQL の作成に 10〜15 分ほどかかります
# 初回のみの手作業: スキーマの初期化(流し込む SQL は terraform output が表示)
gcloud sql users set-password postgres --instance=ochakai --prompt-for-password
cloud-sql-proxy "$(terraform output -raw sql_connection_name)" --port 55432 &
psql "host=localhost port=55432 dbname=ochakai user=postgres"
# psql の中で「terraform output -raw database_bootstrap_sql」の出力を実行すれば完了

terraform output -raw use_command   # チームメンバーに共有する ochakai use コマンドを表示

Terraform を利用しない場合は、gcloud コマンドだけで構築する手順もガイドに掲載しています。

ナレッジ登録 自組織のデータを登録する

# テーブル定義を取得して投影。ochakai がデータウェアハウスに直接アクセスすることはありません
# ※ --max_rows を指定して全カラムを取得(省略時は先頭 100 行のみの出力になるため注意)
bq query --max_rows=100000 --format=json --nouse_legacy_sql \
  'SELECT table_schema, table_name, column_name, data_type, is_nullable, description
     FROM `your-project.your_dataset.INFORMATION_SCHEMA.COLUMNS`
    ORDER BY ordinal_position' \
  | ochakai seed - | ochakai import -

上記は BigQuery の例です。seed コマンドは INFORMATION_SCHEMA.COLUMNS 形式の JSON を読み込みます。Snowflake や PostgreSQL などでも同様に取り込み可能です。

インポートしたドキュメントは、最初はすべて draft(下書き)として登録されます。そこに人間やエージェントが現場の「読み方・注意点」を書き足すことで、実用的なナレッジへと育ちます。対象範囲の絞り方や記述の進め方は「ナレッジ作成ガイド」、ナレッジを最新に保つ運用サイクルは「運用サイクルガイド」をご覧ください。

MCP クライアントごとの設定

Claude Code はシェル実行環境を備えているため、CLI 経由での利用を推奨しています(ツールの定義スキーマでコンテキストウィンドウを消費しません)。MCP ツールとして接続する場合は以下を実行します:

claude mcp add ochakai -- ochakai mcp-stdio

Claude Desktop は前述の .mcpb バンドルを使うのが最も簡単です。手動で設定する場合は、設定 → Developer → Edit Config から claude_desktop_config.json に以下を記述します:

{
  "mcpServers": {
    "ochakai": { "command": "ochakai", "args": ["mcp-stdio"] }
  }
}

Cursor、VS Code、Windsurf、Cline、Zed、Gemini CLI なども同様の形式で接続できます。各エディタ向けの設定手順、自動フックの導入方法、接続トラブルシューティングは「エージェント接続ガイド」をご覧ください。Cloud Run 上の ochakai に接続する際は、クライアント環境で PATHochakai が通っており、gcloud auth login が完了している必要があります。